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胃捻転の治療は、大きく2つのパートに分かれます。救急救命処置(内科処置)および外科手術です。しかし、すべての処置が適切に行なわれても、100%救命することは難しく、死亡率が15%〜68%とも言われています。
救命救急処置(内科処置)
この救命処置は更に2つのパートに分かれます。
a.胃の減圧および洗浄
b.ショックに対する治療です。
a.胃の減圧および洗浄
口から胃チューブを入れることにより、胃の減圧を行います。このとき麻酔が必要となる場合もあります。胃内圧が上昇しすぎて、胃チューブの挿管が困難なときは、胃穿刺を行い、ガスの除去を行なった後、胃チューブを挿入を再度試みます。続けて、胃チューブを通して異常発酵した食事を排出し、その後食渣がなくなるまで何度も胃洗浄を行います。
b.ショックに対する治療
胃捻転を起している患者は、さまざまなショックに陥ります。
捻転した胃が後大静脈などを圧迫し血液循環量不足によるショック、不整脈などが発生するために心源性ショック、敗血症などからエンドトキシンショック(血液分布異常性ショック)が、それぞれ単独あるいは複合して発生します。状態に合わせて適切に抗ショック療法を行ないます。
すべての救命救急処置が完全に行なわれ、胃の減圧およびショック状態から脱出し、レントゲン検査(造影)でも胃の位置が解剖学的に正しい位置に戻ったとしても、外科的に固定を行なわない場合には再発率は70〜75%にも上ります。
外科手術
いろいろな方法が存在しますが、すべての外科手術に共通な目的が3つ存在します。
- 胃と脾臓を正確な位置に戻す。
(外から見ても正しい位置はわかりません)
- 胃と脾臓の状態を確認し、それぞれに対して臓器に対して適切な処置を行なう。捻転に伴って胃の血行が遮断され虚血性の壊死が起こるケースや脾臓とをつなぐ血管が切れたり、脾臓も捻転を起すケースもあります。
- 再発防止のために永久的な胃の固定術を行なう。
胃捻転を起こし、外科手術を行なった136例での報告では、胃固定を行なった場合、中央生存期間が547日、胃固定術を行なわなかった場合、中央生存期間が88日です。
外科手術のタイミング
最近では可能な限り早い時期での実施が薦められています。理由としては
- 胃の減圧が成功し全身の循環状態などが安定しても、胃の位置異常が残る場合、胃壁が進行性に虚血から壊死にいたるリスクが高い。
- 胃捻転に伴って発生する不整脈は、捻転発生後12時間〜36時間がもっとも発生頻度が高い。
再発防止に向けて家での取り組み
- 食事は少量頻回(例、一日3回〜5回)
- 食後の運動は制限する
- 食後一時間は、飲水を制限する
胃捻転の初期のサイン(症状)を見逃さないように注意します。もし、症状が認められたら、すぐに動物病院を受診しましょう。 |